『ターミナル』感想。

アクションも飽きたし、良質なサスペンスは見当たらないし、ということで消去法的に選んだ本作品。

思いの外面白かった!

トム・ハンクス演じる主人公がクラコウジアという東欧?の架空の国出身という設定で、
米国に到着したはいいが、祖国が革命で内戦状態になり、米国と国交が断絶してしまって、
入国も出国もできません。

さあ、どうしましょう。

というところから話はスタートする。

最近クリミアがロシアに併合されたニュースがあったばかりなので、
なさそうではない設定にまずリアリティを感じた。

空港って、旅行時に乗継の場所として過ごすにはとっても夢があって素敵な場所だと思う。
免税店もあって買い物は楽しいし、目的地への期待感もあって気分は高揚しているしね。

だが、主人公のようにもし空港に住むとなったらかなり落ち着かないんだろうなあ、と思料。
人の流れは大量で、国籍も言語もことなるし、そもそも異国なのだから。

そんな環境でも、しぶとく創意工夫をしながら生き延びていく?主人公にはなんというかリーダーシップを感じた。
決してかっこよくはないのだけれど、最終的に彼は目的をしっかり達成しているわけで。

最初は、空港に住んでいるという単なる変な奴として周囲には疎まれるのだが、それがいつしか人気者となっていく。
その過程には、

1、まずはっきりとした目的がある。
2、さまざまな角度からチャレンジをする。(空港内で生き延びるために)
3、失敗をしても、邪魔をされてもまた挑戦する。
4、周囲の人間に頼りにされる。(便宜を図ってあげることで)
5、人間関係が雪だるま式に増えていく。
6、目の前に現れたチャンスをしっかりモノにしている。

という流れがある。

主人公は一体母国では何者なのかという疑問は残るものの、
(建築現場での活躍ぶりを見るに、建築関係の人という可能性は高いが)

ヒューマンドラマとして見事に完結しているあたりが、さすがスピルバーグだなあと思う。

目的をしっかり持ち、それに向かって様々な角度からアプローチすれば、実現しますよ、
というメッセージが背景の本作品。

手段と目的をしっかりと区別して、今日も過ごそうと思う。

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